いま会いたい人は、変化のきっかけをくれた人。
”会いたい人”のお題をみて、ふとMISIAの「逢いたくていま」を思い出したのは、先週まで再放送していた『JIN -仁-』を観た影響に違いない。
このドラマは、タイムスリップしてしまった主人公の仁先生や、多くの文化や技術が発展途上の江戸時代を懸命に生きる人達が、医療を通じて困難を乗り越えていく物語。
時を経て令和になったいまの時代でも、新型コロナウイルスと奮闘する私達の姿は、こ時代背景は違えど、このドラマと重なるところが多く感じます。
神は乗り越えられる試練しか与えない
これは、ドラマのなかでも仁先生が繰り返し発するセリフで、この言葉を胸に多くの困難を乗り越えていくストーリーに胸が熱くなります。
そういえば私にも、ある人の一言がきっかけで、大きなターニングポイントを迎えたことがありました。
こんな状況になってみて、あの時思い切ってよかった!と心底思います。そんな重要な転機のきっかけを作ってくれた人に、いま会いたい。
ゼミの先生と1年ぶりの再会
私も実は、医療関係者のはしくれです。
いまは医療従事者ではなく、いち会社員ではありますが、もともと医療の路を目指そうと思ったのは、「将来安泰な気がする」なんて安易な気持ちからでした。
医療の路を目指した時、大層な志があったわけでもなく、なんとなくその道に進み、なんとなく就職を決め、なんとなく生きていました。
就職1年目はドラッグストアに務め、それなりに楽しい毎日を過ごしていたけれど、ふと「なんでこの仕事選んだんだっけ?」と迷子になっていきます。
嫌じゃないけど満足もしていない、すごく中途半端な状態。それでも毎日自分なりに仕事を楽しんではいました。
そんななか、同じゼミのメンバーの同窓会も兼ねて、教授に会いにいったときのこと。私は、その時のひとことがきっかけで、新しい道へ舵を切ることになったのです。
勇気をもらったひとこと
同期のメンバーや教授(H先生)と、1年ぶりに再開して近況報告。
楽しく毎日を送る人もいれば、職場の悩みを抱える人もいて、みんな新しいところで頑張ってるんだということを肌で感じて、活力をもらった一幕でもありました。
その日の帰り道、H先生と並んで駅まで歩きながら近況を話していたら、私がいまの仕事に満足していないことは見抜かれていました。もともとゼミにいたときから、なんとなくゼミに入ってなんとなく就職したことも、分かっていたのだと思います。
本当は開発の道に進みたかったけど、自信のなさから逃げてしまったことを本当は少し後悔していました。でも、変える勇気もなかった私は、「別に今の仕事が嫌なわけじゃないんですけど…」と歯切れの悪い感じ。
そこをバシッと、「ずっとそうやって逃げていたら、ずっとモヤモヤしたままだよ。」と言ってくれたH先生が、続けていった言葉。
「僕も、自分で選んだ路が違ったと思ったこともあったけど、自分の意志で決めた路に後悔したことはないよ。」
この言葉が、私の背中押しとなって、就職から1年で転職し、それからずっと医療系の開発業務に従事し続けています。
先生が言ったように、あのときの選択に後悔していないし、昇格して昇進して、モヤモヤしていたあの頃には、想像できなかった景色が見えてきた気がします。
あれから同期と集まることも、先生に会う機会もなくなってしまったけれど、あの時新しい道へ進む勇気をくれた先生に、いま会いたいな。
おわりに
日常が様変わりしてしまった今だからこそ、昔を振り返ることも多くなりました。
こうして人と会うことができなくなったときに”本当に会いたい”と思うのは、変化のきっかけをくれた人や転機のタイミングに居合わせた人かな、としみじみ思います。
あの時、先生の言葉がきっかけで、人生の舵をきれてよかったということを伝えにいきたいな。
今週のお題「会いたい人」