【しごとの思い出】転職で数社を渡り歩いて気づいた「会社との関係性」
この週末は、家にこもって黙々と好きなことをする2日間。
はてなブログのお題に「しごとの思い出」が出ていたので、これまでの仕事を振り返ってみました。
私は何度か転職を経験していますが、様々な会社での仕事を通じて、仕事観や会社とのいい関係性を模索してきました。
今回は私の仕事観や会社とのちょうどいい関係性の築き方について綴っていこうと思います。
数社の転職を経て形成された仕事観!会社とは対等な立場であれ!
まさか自分がブラック企業で働くことになろうとは
一度目の転職は、私にとっては苦い思い出でした。
就労条件がよくなると期待して転職した会社は、いわゆるブラック企業だったのです。
40代前半の社長が一代でおこした医療系サービスの会社で、社員は当時で30人ほど。
入社してから分かったのですが、毎月のように採用しては辞め、採用しては辞めを繰り返していたようでした。
社員が辞めていく原因は、主にメンタルの崩壊。
業務の多忙さも原因ではありましたが、なによりワンマン社長の無茶振りに、心が付いていかないというところが大きかったように思います。
入社して数日の研修を終えて、すぐに社運をかけた大きな案件を担当するメンバーの一員となりました。
新しく参画したメンバーも古株も、みんな疲れ切っていて些細なミスが頻発していました。ただでさえハードな業務をこなす毎日に、少しでもトラブルが起きれば担当メンバー全員が「取り調べ」を受けることになります。
(本当にドラマで見る警察の取り調べみたいでした。笑)
「●●さんの不手際のせいだ!」とミスを誰かに押し付けて、その再発防止のためにチェック体制を強化したり、承認プロセスを増やしたり、やることは増えるばかり。今度は仕事を片付けるまでに時間がかかり、なのに私達に与えられた期限は変わりません。
結局、タスクは増えていく一方なのに、期限に急かされ、ミスがさらに急増という始末。残業も月30時間以上をつけることは許されないし、22時以降の深夜残業は禁止なので、途中でタイムカードを切って、夜も休みも関係なくサービス残業で働いていました。
疲れ切ってうつろな状況で仕事をするものだから、当然成果物のクオリティは満足いくものではなく、社内には常に社長の怒号が響き渡り「次は自分か…」と明日は我が身という恐怖にかられていました。
いま振り返ると、なぜすぐに辞めなかったのだろう?と不思議です。
心身ともにボロボロになりながら、ようやく重い腰をあげて転職したのは、入社から3年半ほど経ってからでした。
転職してはじめての業界だったこともあり、仕事がこなせない私がダメなんじゃないかと思っていた部分もありましたし(そういう一面も大事ですが)、与えられた仕事をちゃんとこなさなくては!という責任感もあったように思います。
だから、自分がブラック企業に務めているという自覚が薄く、気づくのにかなり時間を要してしまいました。
今でこそいい思い出ですが、労働環境としては決して望ましくないものでした。この時期は、視野が狭くて、自分の会社が全てだと思いこんでいたように思います。
会社と私の関係性
その後、私は同じ業界で2回ほど転職し、今働いている会社に落ち着いています。
いい意味で、社員一人がいなくなったところで会社はいつも通り動き続けるし、悪い意味で、自分がいなくなったところで、想像よりはるかに影響は少ないものです。
その会社の方針やスタンスは、そんなに簡単には変わらないし、そうあるべきだとも思うようになりました。
こうした教訓を機に、自分にとっての理想の職場は、
”変化させるものではなく、見つけるもの”
だと思うようになりました。
対人関係に相性があるように、企業と個人の間にも「相性」があります。企業と個人では、どうしたって雇用する側(企業)が優位な立場に見えてしまいますが、働く私達にも「その会社であるべきか?」と選ぶ権利はあると思います。
私は個人付き合いでも、相性がいまいちな人(性別年齢問わず)とは、なるべく一緒過ごす時間を避けようと思っています。相手に自分の価値観を押し付けるのは筋違いだし、かといって無理に一緒にいようとすると、双方でストレスを与え合うことになってしまうからです。
これはブラック企業から学んだ処世術といっていいかもしれませんが、「好きになれないなら距離を置く」というのは、ストレスを産まない秘訣だと思っています。
私が会社を選ぶときは、
「収入」
「時間(残業の有無や)」
「福利厚生」
「将来性」
「職場環境」
のバランスで判断するようにしています。
完璧な条件が揃うことなんてないのですが、相対的に「好き」よりも「イヤ」が勝るのなら、関係性を解消した方が双方のためになると思うのです。
ひとつの会社に固執すると、自分の理想を押し付けたり、理解を求めたりしてしまいがちですが、他にも選択肢はあると思っていると、適度な距離感でいられます。
もちろん、会社に雇ってもらっているという感謝は忘れないようにしていますが、こちらも給料分の労働力を提供しているというプライドをもって仕事していますから、企業と私の関係性はあくまで「対等」です。
雇う側と働く側とがパートナーシップを結ぶような関係性でいられたら、お互いを尊重して仕事ができそうですね。
辞めてもいい関係を築くスタンス
会社との関係性は、辞めるときほど注意が必要だと感じています。
絵空事かもしれませんが、「辞めてからもいい関係を築ける」ことが理想です。
このスタンスは現職の社長の受け売りなのですが、社長の考え方にとても感銘を受けたことがありました。
現職の会社には「転職支援制度」というものがあります。
はじめて聞いたときはなにかの冗談かと思いましたし、「社員いなくなっちゃっていいんですか?」と笑い混じりに訪ねたのですが、その時の社長の率直な回答が印象的でした。
”うちの会社が社員全員の理想を叶えてあげられるとは思ってない。
だからせめて、理想を叶えるための応援はしたいと思っている。”
なるほど。
社員が会社とは違う方向性のキャリアを描くなら、どうぞそちらへ!ということのようです。社員が入れ替わりを繰り返すことで、なかなか体制が落ち着かない経験をしていたからか、”社員が会社を離れる”ことに対してネガティブな印象を持っていました。
ですが、社長はこう続けました。
”向かう先が違うなら、早く別れたほうがいい。
そして、別れ際が大事だよ。
嫌な思いをして去った人は、必ずその悪口を人に伝えるから。
会社を守るためにも、辞めて行く人に気持ちよく去ってもらいたい。”
たしかに!
私自身がブラック企業で経験したことをこうして書き綴っているように(笑)、ネタのひとつとして人に話したくなるものですよね。
嫌な思い出は消化するまでに時間がかかるものですし、誰かに聞いてもらって発散したいという気持ちは当然あることです。
人の考え方も価値観も、時代や経験によって変わっていくものです。
仕事も会社も、今はベストだと思っていても、状況が変われば違う道を選択することがあるのは必然だと思います。
そんなときは、お互いの活躍を願って、前向きに別の道を歩むという選択ができたらいいですよね。別れ際こそ気持ちよくというスタンスって、とても大切なことだなあと思うようになりました。
いまも理想に向かう途中
今は仕事も会社も人間関係も満足していますし、できる仕事の領分をもっと増やしたいと思っているけれど、1年先や5年、10年先が同じとは限りません。
私の理想の働き方も変化していくはずだし、会社も社会に合わせて変化していくものだと思います。
向かう方向性が同じなら、もちろん一緒に頑張りたいけど、目的地が別れていくなら、いつか袂を分かつときも来るかもしれません。
それでも、互いに依存せず、いい距離感を保ちながら今の仕事を頑張って行きたいなと思ってます。
おわりに
ブラック企業に勤めたことや転職していくつかの会社で働く経験から、少しずつ自分の仕事感が明確になってきました。働き方も自由に選べるようになったこの時代に、自分の描くキャリアや理想の働き方ができる道を模索することも、仕事の醍醐味のひとつだと思います。
自分の理想をかなえる手段として仕事を選び、自分の役割をまっとうすることで、依存しない関係性を保っていきたいものです。
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